2013年6月18日の夕食は、ロンドンのストランド街にあるSimpson’s in the Strand シンプソンイン・ザ・ストランドに行くことにしました。
シンプソンは、ローストビーフの店として有名で、特にロンドンでイギリス料理の名物であるローストビーフを食べようと思ったらまっさきに出てくるレストランです。
ロンドンの駐在ビジネスマンであれば、一度は接待などに使用したことがあるかと思います。
私は、シンプソンには1980年台と1990年台と2回行ったことがあり、今回で3度目になります。
創業は1828年で、現在はサヴォイグループの一員となっており、ロンドンサヴォイホテルの隣にあります。
さて、ロンドン見物の後、一旦ホテルに戻り、ホテルの部屋から電話で6時半に予約を入れました。というのもお得なセットメニューがあるからです。
夕方の観劇前、プレシアターの午後7時前に入れば「Fixed Price」でコース料理が25.75ポンド(約3,600円)とかなり割安になります。
ちなみにディナータイムになると、Roast rib of Scottish beef (aged 28 days)というローストビーフの単品が29.5ポンド(約3,800円)ですから、この単品に日替わりスープ、キャベツのバターソテーとポテト、スイーツとしてバニラカスタードのプディングが付いて25.75ポンドと4ポンド近く安くなり大変お得です。シンプソンのコースが4000円以下ですから普通では考えられません。
トラファルガー広場のナショナルギャラリーで絵画を鑑賞した後、Strandを東に向かって歩いてレストランまで行きました。
シンプソンは、ロンドンでも最高級のホテルであるサヴォイホテルの隣にあります。もうこの辺で、足を踏み入れるのが躊躇されるようなシチュエーションです。
また、ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツが主演した映画「ノッティングヒルの恋人」でも、ジュリア・ロバーツ役のハリウッド女優が会見したホテルがサヴォイです。この時の、サヴォイの粋なフロントマンが記憶に残っています。
さて、ウェイターに予約をしておいたことを告げるとテーブルに案内してくれました。
過去2回は、結構お客さんで混んでいたのですが、ロンドンの夏の6時半ころという時間からほとんど他の客はいませんでした。
メニューを見て、Fixed Priceのコースと決めていましたので、いくつか選べるのですが、本日のスープ、キャベツのソテーとポテト、28日間熟成したスコットランド牛のローストビーフ、プディングにしました。
ここで、ローストビーフについてですが、伝統的なイギリス料理です。
イギリスの習慣では、ローストビーフは日曜日の午後に食べる昼食(サンデー・ローストと言います。)のメインディッシュとされています。そして、このローストビーフにはヨークシャープディングを添えるのが普通です。
上の写真で、ローストビーフの上に乗っている黒い塊のようなものがヨークシャー・プディングで、白いのはホースラディッシュです。。
ヨークシャー・プディングは、日本で言うプリンのようなものではなく、言ってみればシュークリームの皮のようなものであまり味もありません。なぜ、ローストビーフにヨークシャー・プディングを付けるのかは、分かりませんが、イギリスでロースト・ビーフを食べるとよく付いています。
さらに、ローストビーフには、ヨークシャー・プディングの他にホースラディッシュが薬味として添えられ、グレイビーと呼ばれるソースがかけられます。
ホースラディッシュは、セイヨウワサビとも言いますが、ワサビのようにすり下ろしたものを使います。
日本でロースト・ビーフを食べる時に、このホースラディッシュが付いてくれば、なかなかのレストラン・ホテルと言わねばなりません。たいていホースラディッシュが付くことはありません。もちろん、ヨークシャー・プディングが付いていることは、私の知る限り福岡では皆無です。
ローストビーフは、肉の塊をスライスしたもので、食べる時にはホースラディッシュとグレービーをつけながら食べ、合間にヨークシャープディングをパクつくことになります。
また、シンプソンでローストビーフを注文すると、テーブルにカーバーという人が、大きな肉の塊が乗っているワゴンを引いてやってきます。
そして、カーバーは、客にレア、ウェルダンなどの焼き加減を聞き、レアならば肉の塊の中心部近く、ウェルダンならば外側のよく焼けている部分をナイフで薄く切り取ってくれます。
そして、スライスした肉を皿にに入れてくれて、ホースラディッシュを添え、ヨークシャー・プディングをのせて、最後にグレービーをかけて終わりです。
(参考動画)
シンプソンでは、イギリス国産の牛肉を使います。私達は、スコットランドの牛肉のローストビーフを注文しました。
いかにシンプソンがイギリス産の牛肉にこだわっているかは、下の昔のメニューを見ればわかります。
メニューの左側のイラストに注目してください。イラストの下の方に青い文字で書かれているのですが、客の紳士が肉を切るカーバーに「その肉はイギリスのものですか、それとも外国のものですか?」と聞いて、カーバーや客、従業員たちが驚いている様を描いています。ことほどさように、シンプソンはイギリス産の肉にこだわっているというわけです。
ちなみに、上のメニューは、残念ながら現在は使用されていませんでした。私は、80年台にシンプソンを訪れた時に、このメニューをもらって帰り、額に入れて今でも部屋に飾っています。
シンプソンのローストビーフ自体は、それほど美味しいものとは思いません。よっぽど、日本の普通の焼肉屋のほうが数倍美味しいと思います。ただ、イギリスの伝統的な料理を高級レストランの雰囲気で食べることに意味があるのではないでしょうか。
ただ、このシンプソンも、有名になりすぎて今では日本人の客ばかりになってしまいました。私達の周りも日本人の客ばかりで、20代前半と思われる日本人のスーツ姿の男性が5人位で会食していました。
シンプソンはありませんが、ロンドン市内の有名レストランやアフタヌーンティーを日本語で予約したいなら次をどうぞ。
なお、シンプソンの隣はサヴォイホテルとなっており、ピカデリーサーカスやトラファルガースクエアにも歩いて行けて便利です。
シンプソン・レストランの隣 ザ サヴォイ フェアモント マネージド ホテルの空き室情報と予約
100 Strand London WC2R 0EW
44 (0)20 7420 2326
Breakfast
Mon to Fri: 7.15am – 10.30am
Lunch
Mon to Sat: 12.00pm – 2.45pm
Sun: 12.00pm all day
Dinner
Mon to Fri: 5.45pm – 10.30pm
Sat: 5.00pm – 10.30pm
Sun: All day to 9.00pm